唾液が気になる
日本の鍼灸師は薬を処方することはできませんが
漢方薬についての知識をもっていると治療に役立つことがあります
漢方を処方するとき指針となるのが「証」という特有の適応症です
鍼灸治療でも「証をたてる」ことは治療を行う上で大事なことなのですが
漢方の場合は汗があれば○○ なければ△△ 胸脇苦満があれば×× というように決まっています
これらは傷寒論という古典に書かれているものですが
漢方の復権に尽力した医師が近代発見した「証」もあるのです
昭和の医師 大塚敬節先生はその豊富な臨床例から
「口の中に薄い唾液がたまる」という症状を「人参湯証」であることを見いだしました
これをどのように鍼灸治療に生かすのかといいますと
「人参湯」は脾胃が虚弱になり冷えて水分が停滞しているときに使われる薬なので
鍼灸では脾胃を補い要らない水分をさばき 冷えを取ることを目標に治療を行います
証がばっちりあった場合には
口の中の唾液が気にならなくなってくるのです
対症療方ではない治すための処方
鍼灸も同じところを目指しているのです
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