臓腑のはたらき
心なる者は 君主の官なり 神明焉より出づ
肺なる者は 相傳の官 治節焉より出づ
肝なる者は 将軍の官 謀慮焉より出づ
胆なる者は 中正の官 決断焉より出づ
だん中なる者は 臣使の官 喜楽焉より出づ
脾胃なる者は 倉廩の官 五味焉より出づ
(source : 『黄帝内経素問 霊蘭秘典論篇』)
東洋医学では「肝・心・脾・肺・腎・(心包)」という五臓と
「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦」の六腑
の働きや関係性を利用して病態の把握と治療を行っています
ですから各臓腑の働きを把握することはとても大事なことなのです
この働きを古代中国の国家を支える役職にたとえ説明したのがこの篇↑です
「心」は君主です 五臓六腑が調和を保つようトップに立って働きます
さらに精神・意識を主宰して生体機能を健全に保ちます
「肺」は相傳(そうふ) 君主である心をたすけて臓腑の働きを調節します
心は血を肺は気を主り 心と肺で主力となって気血を全身にめぐらせるのです
「肝」は将軍 計画性や行動力に長けた優れた指揮官 防衛や攻撃に力を発揮します
「胆」は中正 公平中立な立場で全体を把握しときに大胆な決断をします
「脾胃」は食料を貯蔵する倉庫です 飲食物をこなし生体が維持できるよう全身に栄養を送ります
そして「だん中」ですが これは「心包」つまり心臓を包む膜のことといわれています
心にいつもついてまわり 臣下として心を守る働きをしています
このようにそれぞれが役割をもち互いに協調しながら機能しているのですが
君主である「心」の働きが全てを決定づけると続けています
病むのも生きるのも
トップの度量と采配
そしてトップを支える要職者の働きなのですね
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