酸っぱい、梅干し
先日ブログで取りあげた「五行説」
木・火・土・金・水は味をも分類していて
それぞれ順に 酸・苦・甘・辛・鹹(かん=塩辛い)が配当されています
たとえば木は肝であり春そして酸を示しますが
では酸味は肝臓によいから春にたくさんたべたらよいということか というと それは違います
「肝」は肝臓を示す部分もありますが、のびのびとしていて成長をつかさどる働きをもつものと考えていただいたらよいと思います
まさに春 草木がのびのびと成長するイメージですね
でもその働きが強すぎてしまっても病の原因となるのでそういう場合には「酸」をとって引き締めるのです
のびのびという特性も強すぎるとあだになる その手綱を引くのが「酸」
でも反対にのびやかさが足りないときは「甘」をとって緩めます
気候と体調の声を聴いて調節するのです
また「酸」にはこんな使い方もあります
火は心であり夏を示しますが
「心は緩を苦しむ 急に酸を食して以てこれを収む」とあり
夏、暑さのために生じる不快な症状を「酸」をとることで収めよと説いているのです
味に関してここのところ文献をあたって検証しているのですが
単純にこれにはこれと言い切れないもの というのが率直な感想です
何度も目にするのが 「欲するが、多く食えば傷る」という言葉
欲しいままに あるいは からだにいいからといって多食をしていると 全体としてのバランスがくずれやはり病の原因となる
食というものが心身に与える影響の大きさをうかがわせます
さて 去年はお休みした梅干しを一年ぶりに仕込みました
暑さでからだと心が緩んで調子をくずしそうなとき
活躍してくれそうです
(『黄帝内経素問 五蔵生成篇・蔵気法時論篇』参考)