陰と陽
天地なる者は 万物の上下なり
陰陽なる者は 血気の男女なり
左右なる者は 陰陽の道路なり
水火なる者は 陰陽の微兆なり
陰陽なる者は 万物の能始なり
故に曰く 陰は内に在りて 陽の守なり
陽は外に在りて 陰の使なり(『黄帝内経素問 陰陽応象大論篇』より)
仮に世界を円とすると 陰と陽は直線によって1/2されるのではなく S字状に区分けされたかたちで存在している と考えます
夏至や日中は陽のピークとなるが陰が最も少なく
冬至や夜中は陰のピークとなるが陽が最も少ない
相反する同士でありながら 互いにひかれ合い補い合い
また陰は極まれば陽となり 陽は極まれば陰となり お互いを生み出すもとともなっている
人の体においてはこの陰陽を調和させることが最良の養生法であると説いています
季節や一日の陰陽の動きとかけ離れる生活をしたり
煩労によって陽気を高ぶらせると 精の衰退をもたらし
大怒によって陽気を乱し気血の通りを悪くすると 相対する陰気も絶し
また 陰陽が離決すれば精気も絶することになります
だから聖人は
無為のことをなし
恬澹(てんたん)の能を楽しみ
欲に従いて虚無の守に快にす
自然にあるがままふるまい、物事に執着せず心やすらかで欲をもたず、心の赴くままに「持たないこと」を楽しんで生きると
「寿命無窮(永遠)にして 天地とともに終う」
のだそうです
寿命無窮とはいかなくても
毎日を楽に過ごせるヒントがありそうですね