口の中が甘いのは
人の口をして甘からしむるなり
此れ肥美の発する所なり
此の人必ず数しば甘美にして多肥なるものを食らうなり
肥なる者は人をして内熱せしめ 甘なる者は人をして中満せしむ
(source : 『黄帝内経 素問 奇病論篇』)
口の中が甘く感じることを
口甜(こうてん)または口甘(こうかん)といいます
素問の奇病篇にはこの「口甜」について
本来ならば適切に消化吸収されるはずの食物が停留して悪さをしている
美食のとりすぎによって起きた病であると説いています
ここでいう美食とは
味の濃いもの 油の強いもの 甘いもの 辛いものや 酒などを指しますが
これらを多食すると「脾胃」が傷つき その働きが低下するとともに熱を生じる
そして悪いことに
また美食をとりたくなるという悪循環が生まれます
奇病論には続けて「・・・転じて消渇となる」とあるのですが
このツꀀ「消渇(しょうかつ)」とは現在の糖尿病に似た病証を示すものなのです
高貴な一部の人間だけが美食を味わった古代中国の警告は
現代に暮らす人々へ重みをもって迫ります
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